欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が貧困化政策宣言 経済より、物価安定を優先することをフランスの高校生に話す

報道記事:ECB、成長より物価安定を優先=ラガルド総裁

[パリ 16日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は16日、ECBの措置により成長が圧迫される可能性があるが、物価安定が最優先になると表明した。仏中銀で行われた高校生とのイベントで述べた。

ECBは金融政策を決定する際に、インフレに影響する全ての要素と成長を圧迫するリスクを考慮する必要があると指摘した。

インフレ抑制策が成長を圧迫する可能性について「あり得る。だが物価安定は根本的で最も重要なため、負わなければならないリスクだ」と述べた。

ロイター

【コメント】
来週はアメリカのFOMCで発表があり0.75%の利上げか1.0%の利上げか注目されている。どちらにせよ、大幅な利上げには違いない。アメリカの利上げがあるとECBもそれに追随する。インフレはヨーロッパの方が悪い。アメリカはエネルギー資源の自給率が高いが、ヨーロッパは輸入に頼っているからである。ヨーロッパの方が利上げを必要とする。

いつも書いているように、利上げによるインフレ抑制は景気悪化を目指すものだ。景気を悪化させることで購買力を低下させ、需要を減らして価格を下げるのだ。最近原油価格が下がってきているのがその表れである。景気減速を予想し、原油先物80ドル台まで落ちてきている。

記事にあるようにラガルド首相は成長よりもインフレ抑制を優先すると高校生にまで説明している。早くから話をすることで、国民に仕方ないと思わせているように感じる。

欧米の民主主義国家の人々は政府の強制には反対する者かと思っていた。だが、新型コロナの対策として各国はロックダウン政策を実施し、多くの人は従った。ワクチン接種にしてもそうだ。インフレ抑制のための利上げやそれに伴う国民の困窮も仕方ないものだと言い続けると反発も少ないのかもしれない。

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