
報道記事:ドイツの倒産の波が加速…「ガス、電気の価格が10倍に上昇」
ドイツの電力と天然ガスの価格が急騰するにつれて、長い伝統を持つ企業の波が押し寄せ、破産を申請しています。多くの中規模企業はエネルギー源として天然ガスに依存していますが、 価格は 今年初めから倍増しています。
Watts Up With That
Blackout News は 、トイレットペーパー メーカーの Hakle が「エネルギー コストの増加」を理由に破産申請したと報じています。
「ガス代、電気代が10倍に」
他には、消費者が裁量的支出を削減したために売り上げが低かったことを挙げている靴小売業者の Görtz や、自動車サプライヤーの Dr. Schneider などがあります。ハンブルグとブレーメンの鉄鋼メーカー、アルセロール ミッタルもこれに続いています。
「数か月以内に受け入れなければならなかったガスと電気の価格が 10 倍に上昇したため、輸入品が 25% を占める市場ではもはや競争力がありません。エネルギー価格を直ちに制御するための政治的行動が緊急に必要であると考えています」と、アルセロール・ミタル・ドイツ(ファイナンシャル・マーケット・ワールド)のCEOであるライナー・ブラシェックは述べています。
極度の困難に直面しているもう 1 つの業界セクターは、手頃な価格のエネルギーに大きく依存しているベーカリー業界です。Blackout News によると、「業界筋によると、パン屋にとって、エネルギー危機は現在、コロナ パンデミックよりも深刻です。「私たちは小規模なパン屋として問題を抱えています。原材料とエネルギーの価格に合わせて価格を調整しなければならないという問題があります。もちろん、これは顧客にも負担がかかります。顧客が現金に少し厳しい場合です」と影響を受けたハイルブロンのパン屋は言います。 」
私たちの地域のあるパン屋は、毎月のガス代が今年初めの 3,000 ユーロから 11,000 ユーロに上がりました。
「深刻で長期にわたる不況」
倒産の波は始まったばかりで、「スピードを上げている」と Blackout Newsは書いています。「私たちが今見ているものは、氷山の一角にすぎません。エネルギー価格の上昇は、製鉄所やベーカリーの場合のように直接的に、または靴小売業者の Görtz の場合のように間接的に、すべての業界に影響を与えています。政治家がここで対策を講じなければ、ドイツは深刻で長期にわたる不況に陥り、大量の失業と繁栄の大幅な損失をもたらすでしょう。」
【コメント】
やはりドイツは破滅に向かっている。ガス、電気代が10倍だけでも驚きである。それだけでなく、トイレットペーパーメーカーや、鉄鋼、パン屋までそのあおりを受けて倒産しかねない状態だ。倒産してしまうと、その分供給が減り、よりインフレが進む。
通常であれば、特定の国の生産力が削がれると、他の国の製品が売れ、供給力を増してくる。ところがどの国も同じ状態にだと、他国になんて輸出するわけがない。つまり、世界で絶対的な供給が減るのである。表向きは資源高による製品の高騰に見えてしまうところも問題だ。
簡単に言うと、先進国の企業はインフレに対して脆弱になってしまったのだ。儲からなくなると赤字を出さないようにすぐに生産を止めてしまう。利益が減らないように人を解雇する。通常であれば解雇した人も景気の良い気企業に転職するのだが、多くの企業が同じことをするので一気に問題が広がっていく。
日本はマシかもしれない。少し利益が落ちたくらいでは顧客のことを考えて生産は止めない。雇用も維持しようとする。一気に儲かることもないが、いきなり社会が混乱することもないのだ。
いつも書いているが、問題が発生するのかこれからだ。エネルギーが高騰するのは冬である。それを前に、企業が倒産し、パン屋がパンを作らなくなると社会は崩壊していく。
この冬はドイツでも暴動が起こり、ショルツ政権も危ういであろう。