
報道記事:日露漁業協定を一時停止 露外務省
北方領土・歯舞群島の貝殻島周辺でのコンブ漁。奥は貝殻島の灯台=2019年6月、北海道根室市
産経新聞
ロシア外務省は7日、ロシアが不法占拠する北方領土周辺などで日本側による漁業を認める見返りに日本側が協力金名目で事実上の入漁料を支払うことを定めた1998年の日露漁業協定について、効力を一時停止すると発表した。ザハロワ報道官名義の声明を同省がサイトに掲載した。
日露は協定に基づく交渉を毎年行い、漁獲枠などで合意してきた。声明は、日本側が必要な文書への署名を引き延ばし、協定に定められた支払いを「凍結」しようとしていると主張。日本側が支払いを実行するまで協定の効力を停止するとした。
【コメント】
北方領土でのコンブ漁が停止となっている。4月には、さけます漁業交渉が遅れながらも妥結していたため安心していたが、コンブ漁はできなくなったようである。まだ、全体から見ると一部にすぎない。今後、ロシアから水産物の輸出禁止があれば、日本での消費量の1割近くが減ることになる。
漁船の燃料高騰による水産物の価格高騰に滑車をかけることとなる。コンブは世界中で消費されるわけではなく、日本の消費が多いため代替輸入先もあまりないかと思われる。あらゆるものが高くなっていく。かといって、今更ロシアに擦り寄ることはできない。今後の見通しは暗い。
参考:水産庁 「日ロさけ・ます漁業交渉(日本水域)」の結果について
参考:カニ・ウニ・紅ザケ、ロシア産供給懸念…輸入滞れば価格高騰も