
報道記事:中国の軍事演習、台湾領内に侵入 国防部「同盟国と協力強化」
台北 3日 ロイター] – 台湾国防部は3日、中国の軍事演習について、国連規則に違反するとともに台湾領内に侵入しており、台湾の空域および海域を封鎖しているも同然だと非難した。
ロイター
台湾の安全保障を断固として守り、領土主権を侵す行為に対抗措置を講じ、戦争を求めない原理原則に基づき警戒レベルを引き上げると表明した。
また、中国は台湾に対する心理戦を継続しているとし、台湾市民はうわさを信じたり、当局に偽ニュースを報告すべきではないとした。
国防部は、域内の同盟国と緊密に連絡を取り合うとした上で、協調や協力を強化して状況がエスカレートするのを共同で防ぐと主張した。
中国が台湾付近の海域での演習地域に航空機は進入しないよう通告したことについて、台湾外交部は国際秩序に挑戦する行為だとした。
アジア歴訪中のペロシ米下院議長は2日夜、台湾に到着した。中国は強く反発し、軍事演習で対抗している。
【コメント】
アメリカのペロシ下院議長の訪台は無事に終わった。中国の対抗措置は、明日から始まる軍事演習のようだ。軍事演習は台湾の島を囲むように、6か所の海域で行われる。
この記事にあるように、問題は軍事演習の範囲に台湾領が含まれていることである。中国の理屈では台湾領は存在せず、そこは中国領である。報道での指摘は少ないが、この中国のやり方はいいところをついている。
日本をはじめ世界の多くの国は台湾を国として承認していない。つまり、台湾という国はなく、台湾領は存在しないとしているのである。日本で使用されている地図を見ればすぐにわかる。台湾という国はない。
今回の演習を台湾領内で行った場合、日本は中国に抗議することはできないのである。だが、台湾としては自国領なので対応せざるを得ない。例えば、中国の軍艦が台湾領海に居座ってしまったらどうなるのだろうか?
ロシアとウクライナ、中国と台湾で大きく違う。それは、台湾が国際社会に国として認められていないことである。だが、中国が台湾攻撃すれば、アメリカが台湾を国として承認する可能性はある。追随して日本も台湾を承認するかもしれない。
ペロシ議長の日本訪問は明日。岸田総理との会談は5日。何かを頼むであろう。そして、明日、中国の軍事演習が始まる。