ノルドストリーム1の天然ガス供給が20%へ低下 ドイツは戦後最大の危機へ

報道記事:ノルドストリーム1の供給量減少へ、タービン追加停止=ガスプロム

[モスクワ 25日 ロイター] – ロシア国営ガスプロムは25日、ロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」について、タービン1基を追加的に停止させるため、供給量が減少すると表明した。

ガスプロムによると、ポルトバヤ圧縮機ステーションの稼働能力は27日GMT0400(日本時間午後1時)から日量3300万立方メートルに減少する。同ステーションの完全稼働能力は日量1億6000万立方メートル以上。

ロイター

【コメント】
ノルドストリーム1の供給再開の安堵から束の間、ロシアが天然ガス供給量を減らした。供給能力の20%程度である。これでは、西ヨーロッパの冬に向けた備蓄は不十分となる。すぐにでも、節ガス政策が必要となるかもしれない。

EUは加盟国に天然ガスの15%を求めた。しかし、それに反発する国が出ている。ロシア制裁より、自国民の生活が優先だからだ。その一つはハンガリー。
  参照:ロイター 7月25日 EUの対ロシア制裁は失敗、新たな戦略必要=ハンガリー首相
さらに、イタリアは首相が辞任し9月25日に選挙が行われる。反EUが勢力を伸ばすと言われており、ガス消費15%削減は実施しないだろう。そうなると、ドイツやフランスといったEU中核国かつロシア制裁に積極的な国にしわ寄せが来るであろう。いずれにしても、ドイツは戦後最大の危機を迎えている。

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