
報道記事:世界は21世紀の「オイルショック」に向かっている~バレル500ドルもあり得るか
21世紀のオイルショック」か?
奇しくも、2023年は1973年の第1次オイルショックから50年目の節目だ。
第2次オイルショックは1979年に起こり、1983年まで続いた。第1次オイルショックから数えて、10年も続いたのだ。
2020年5月6日公開「原油先物マイナスでも『世界は化石燃料で回っている』と言えるわけ」で述べたように、少なくとも現在、化石燃料は我々にとって必要不可欠な存在だ。
中東での戦火が広がれば、昨年10月18日公開「本番はこれから、2023年は未曽有の食料・エネルギー危機になる?」という懸念も現実味を帯びてくる。
場合によっては、2021年12月6日公開「脱炭素原理主義が今の『自業自得エネルギー危機』を招いている」4ページ目「原油は500ドルまで高騰するのか?」のような事態が現実になる可能性がある。
100ドル越えが議論されている現在においては、500ドルと言うのは途方もない価格のように思えるかもしれない。しかし、前記記事で述べたように、1970年代のオイルショック前には1バレル数ドル程度であった原油価格が10倍以上の40ドルまで上昇したのは紛れもない歴史的事実である。
特に、今回予想されるオイルショックでは、「大原浩の逆説チャンネル<第37回>脱炭素・EV化の惨めな結末。テスラ・ホンダが直面する「危機」。やはりトヨタが勝者か?」や、2021年11月5日公開「エネルギー価格高騰、脱炭素・EV化を推進する国家・企業は総崩れか」などの馬鹿げた脱炭素政策が大きな負の効果をもたらすと考えられる。
現代ビジネス
※記事より一部抜粋
【コメント】
昨年、ロシアからドイツに向けた天然ガスパイプラインのノルドストリームが爆破された。それにより、ヨーロッパ諸国はロシアからのエネルギ供給は激減しており代替として中東から天然ガスと石油を入手している。これまでになく、中東依存が高まっている。
今月、ハマスによるイスラエル攻撃で中東危機が起こっている。今はイスラエルとハマスの戦いであるが、イランはすでに介入する意思を見せているという。そのほか中東各国もハマス側に味方するかもしれない。そうなれば、第5次中東戦争となる。
そして、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアはイスラエル支持を明確にした。西側はイスラエルを支持し、アラブ世界と対立する覚悟があるということになる。そうなると、アラブ産油国は石油供給を止めるかもしれない。もしくはそう警告するかもしれない。サウジアラビアはアメリカ寄りだが、イランだけでもその効果は大きい。そうなると、石油価格が暴騰する。
記事い書いているように現在100ドル以下の原油価格は500ドルになってもおかしくないのだ。5倍以上である。それは世界中にインフレを招き、経済も悪化することを意味する。
なによりその影響を受けるのは日本である。ロシアからの石油輸入が減った日本は過去最高に中東に依存してしまっている。95.2%である。ほぼすべてと言ってよい。そのためか、今のところG7の中でも日本はイスラエル支持を表明していない。
以下は中東依存を示す資料である。
政府資料は2023年7月のデータ。
過去のデータはエネ百科のグラフを参照させてもらった。

