
報道記事:英「第2の都市」が破綻宣言 賃金格差是正で財源不足に―バーミンガム
【ロンドン時事】英中部バーミンガムの市議会は5日、事実上の財政破綻を宣言した。職員の男女間の賃金格差是正に関する費用が膨らみ、財源不足に陥った。困窮者支援などの法定サービスを除き、すべての支出を直ちに停止するという。
時事通信
バーミンガムの人口は約114万人と、英国の都市では首都ロンドンに次いで2番目に多い。英メディアによると、市議会は労働党を中心に101人の議員で構成され、欧州で最大という。
【コメント】
イギリスの第二の都市であるバーミンガムが破綻した。破綻したということは、これからも危機を迎えるバーミンガムの住民や企業への補助や補償が少なくなることを意味する。
いつも書いているが、世界経済の低迷はこれからだ。それより前に破綻しているようでは今後は目も当てられなくなる。バーミンガムだけが破綻したところでイギリス自体にとって大事ではない。しかし、バーミンガムが破綻するということはそれ以外の自治体もいい状態ではないことを意味しているはずだ。
つまり、これから問題が大きくなる。日本では自治体の破綻は珍しいことだ。しかも現状では住民サービスとして地域クーポンを連発できるほど余裕がある。日本は自治体も、企業も過去の反省から保守的であり、資金を留保しているためしばらく持ちこたえる体力がある。これは大事なことである。
地方自治体、企業のバッファが個人に急激な危機をもたらすことを防いでいる。去年欧米が過去にないエネルギー高騰に見舞われたが日本はほぼ無傷だった。今年になって電気料金の値上げやガソリンの値上げがあったが、去年に急激な値上げを抑えていたため、比較的被害が少なくて済んでいる。もちろん値上げによる影響によって苦しんでいる人はいるのだが、それが他国より穏やかなのだ。
イギリスはこれからもっと試練を迎えるだろう。日本もこれまで以上に暮らしが苦しくなると思われる。イギリスのニュースはしばらくして日本の現実となる可能性がある。決して楽観視はできない。