中国が拡大した領土を主張 これまでの9段線は10段線に 周辺諸国は猛反発

報道記事:中国の新地図にアジア一斉反発 領有権主張「十段線」に拡大

【シンガポール=森浩】中国が発表した新しい地図に対し、アジアで非難が一斉に広がっている。地図には、中国が南シナ海周辺の領有権主張に用いる独自の境界線「九段線」を拡大した「十段線」が記され、領有権を争うフィリピンやベトナムなどのほか、台湾も反発。一方的な領有権の主張は、9月上旬にアジアで相次ぎ開かれる国際会議で火種となる可能性がある。

地図は中国自然資源省が8月28日に公表した「2023年版標準地図」。南シナ海のほぼ全域の領有を主張しており、九段線を台湾東部に拡大した十段線が記されている。また、ヒマラヤ地域では、中国が「南チベット」として領有権を主張するインド北東部のアルナチャルプラデシュ州も中国領として記載された。

地図を巡ってフィリピンは31日の声明で「中国の主権を正当化しようとする試みで、何の根拠もない」と反発。南シナ海での中国の主権主張を退けた16年の仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)裁定の順守を求めた。

ベトナムも31日に「ベトナムの海域に対する主権、管轄権を侵害している」との声明を発表し、台湾の外交部(外務省に相当)報道官は「(台湾は)絶対に中国の一部ではない」と批判した。

マレーシアもボルネオ島(カリマンタン島)沖の自国の排他的経済水域(EEZ)と重なる水域を中国領にしていると非難し、インドは「国境問題の解決を複雑にするだけだ」と中国の姿勢に反発した。

9月上旬にはインドネシアで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議が、インドで20カ国・地域(G20)首脳会議が開催される。中国とASEANは南シナ海での紛争防止を目指す「行動規範」策定作業を進めているが、今回の領有権の主張は協議に影響を与えそうだ。

インドはG20議長国であり、会議直前の地図公開は円滑な議事進行の妨げとの受け止めが広がっている。印紙ヒンドゥスタン・タイムズ(電子版)は「インドを敵対国として扱い、圧力をかける狙いは明確だ」と批判した。

中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は31日の記者会見で、地図に関して「関係方面が客観的で理性的に対応することを望む」と述べ、領有権主張を正当化した。

産経新聞

【コメント】
中国が新しい地図を発表した。1週間前の話だけど。
その地図ではこれまでより中国の領土が広がっている。周辺諸国の領土やEEZが中国のものとして記載されているのだ。

記事の中でフィリピンのとらえ方として「中国の主権を正当化しようとする試み」とある。だが、わざわざ反発されることがわかって出してくるというのはどういうことだろうか?中国は紛争を望んでいるのではないか?

自国から手出しはしにくいが、他国が騒ぐことで国民の対外的な感情を高めようとしていると思う。ちょうど、福島原発での処理水の海洋放出に中国が反発しているように。中国国内では情報統制されているため、中国政府の行っていることが正しいを思っている人が多いだろう。

領土問題でも同じかもしれない。中国国民は中国政府を支持してしまう。コロナや洪水、経済問題で国内に課題を抱える中国としては、国外に問題を起こすことで国民の避難の向き先を変えようとしているのかもしれない。そんなことをしたとことで問題が増えるばかりなのに。

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