ガボンでもクーデター ニジェールに続く ここにもフランス軍が駐留していた!

報道記事:ガボンでクーデター、軍幹部が選挙に反発 大統領は自宅軟禁

[リーブルビル 30日 ロイター] – アフリカ中西部ガボンで30日、軍幹部によるクーデターが発生した。大統領選でボンゴ大統領が3期目の当選を果たしたと選挙管理当局が発表した後、軍幹部はテレビ放送で権力の掌握を表明、大統領は自宅軟禁状態にあるとした。

軍部は国内の全ての治安・防衛当局を代表しているとし、「深刻な制度的、政治的、経済的、社会的危機に瀕している」とした上で、透明性も信頼性もない選挙結果を取り消し、全面的に国境を閉鎖し、国家機関を解散すると述べた。

軍部はその数時間後に政権移行を指揮する人物を選ぶための会合を開き、元大統領府警備隊長のBrice Oligui Nguema氏を全会一致で選出した。

クーデターが成功すれば、2020年以降、アフリカ中西部では8回目のクーデターとなる。7月にはニジェールで発生したばかり。

64歳のボンゴ大統領は、父親の死去に伴い2009年に就任。父親は1967年からガボンを率いていた。軍部はボンゴ大統領の息子らを汚職と反逆罪の疑いで逮捕した。

自宅軟禁状態にあるボンゴ大統領はビデオを発表。国際社会に対し、自身と家族を支援するために「声を上げる」よう求めた。ビデオの中で、ボンゴ氏は豪華な家具が置かれた部屋にきちんとした服装をして座っており、不当な扱いを受けた形跡は見られない。英語で穏やかな口調で「現在、自分自身は住居にいる。(自分の身に)何も起きていない。何が起こっているのか分からない」とし、「世界中にいる友人たちに、声を上げるようメッセージを送りたい」と述べた。

ビデオの信ぴょう性について、選挙戦でボンゴ大統領と緊密に協力してきたPR会社のBTPアドバイザーズが本物だと確認した。

<市民は歓迎、アフリカ連合(AU)や米仏は非難>

石油とマンガンの産出国であるガボンを56年間支配してきたボンゴ一族の失脚につながる声明が夜間に発表された翌朝、首都リーブルビルでは多くの住民が通りで歓声をあげた。軍幹部は「ガボン国民のため、われわれは現政権に終止符を打つことで平和を守ることを決定した」と述べた。

これに対し、アフリカ連合(AU)はガボンで起きていることを非難し、ボンゴ大統領とその家族の安全を確保するよう軍に要請。西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の議長を務めるナイジェリアのティヌブ大統領は、アフリカ大陸に「独裁政治が蔓延」しているとし、ガボンへの対応について他のアフリカ諸国の緊密に協力していると述べた。

ガボンに約350人の軍部隊を駐留させている宗主国フランスのボルヌ首相は、状況を注視していると表明。仏政府のオリビエ・ベラン報道官は「われわれは軍事クーデターを非難し、自由で透明な選挙へのコミットメントを表明する」と述べた。

また、中国外務省はガボン情勢の平和的な解決と4月に訪中したボンゴ大統領の身の安全を求めた。

米国も懸念を表明。国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は記者会見で「状況を注視している」とし、「米国はアフリカ大陸における民主主義の促進に引き続き注力する」と述べた。

ロイター

【コメント】
ニジェールに続いてガボンでもクーデターが起きた。どうやら成功しているようだ。ニジェールとの共通点がある。どちらも旧宗主国がフランスで、フランス軍が駐留していた。どちらも資源国でニジェールではウランと金がとれ、ガボンでは石油やマンガンが取れるらしい。そして、両国とも国民がこのクーデターを支持している。

フランスは何のために軍を駐留していたのだろう。その国を守るためなのか。そうではなさそうだ。旧宗主国として影響力を残し、その国に権益を確保するためである。簡単に言えば植民地ほどではないにしろ搾取していたのである。

このことはフランスの没落を意味する。客観的に見ればフランスはアフリカから出ていくべきだ。日本もメディアも双方どうしてもおかしくはない。軍が政権を倒したとはいえ、これまでが良かったとは言えない。何せ国民がクーデーターを支持しているからだ。これからが良いとは現時点では言えないが。

このことが問題なのは、資源が西側から離れいわゆるBRICSに偏ること。そしてそれに伴い、西側諸国が相対的な競争力と影響力を弱めていくことだ。そこには日本も含まれるかもしれない。ロシアや中国のいいようにはされたくない。

やはり、世界は二分され、世界大戦は近づいている。

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