アメリカ債務上限問題 イエレン財務長官が毎日のように警告 あと1か月で世界が変わるか

報道記事:米債務上限引き上げ、失敗なら経済とドルに打撃 イエレン氏警告

[ワシントン 8日 ロイター] – イエレン米財務長官は8日、議会が連邦債務上限の引き上げに失敗した場合には、米経済に大きな打撃を与え、世界の基軸通貨としてのドルを弱体化させることになるだろうと警告した。CNBCに対して述べた。

デフォルトの際には米財務省は債券保有者への支払いを優先させるのかとの質問に、債務上限が引き上げられなかった場合、バイデン大統領は財務省の資源をどう使うかについて決断を迫られると述べた。

だが、選択肢について詳細には触れず、選択肢の間に優先順位は付けなかった。

「さまざまな異なる選択肢があるが、良い選択肢はない。どの選択肢も悪い選択肢だ」とした上で「わが国の経済、金融システムを本当に良い状態に保つ唯一の選択肢は、債務上限を引き上げることだ」とした。

イエレン氏は、大統領が財政政策上の問題や予算案について、議会共和党と議論し妥協するプロセスの確立を望んでいるが、自身や国民の頭に「銃を突きつけられた状態」でそれをするつもりはないと述べた。

バイデン大統領は、議会には債務上限を無条件で引き上げる憲法上の義務があると主張している。共和党は、歳出の大幅削減を債務上限引き上げの条件としているが、民主党は反対している。

ロイター

【コメント】
 毎年の恒例行事となったアメリカの債務上限問題。引き上げては問題となり、また引き上げることを繰り返している。それなら思い切って10年分くらい大丈夫なくらいの引き上げを行えばよいのにと思ってしまう。アメリカ国民に多大無い影響を与える無駄を行っているようにしか見えない。

 なにせ、予算は決まっているのに予算を執行しようとすると借りる金に上限があるというのだ。それなら、予算とは何なのかと思わずにはいられない。予算とその執行は別なのだろう。

 過去にも今回と同じように、問題となっている。過去には国の機関の一部の業務を停止したこともある。2011年にはアメリカ国債の格付けを下げられている。

 イエレン財務長官は毎週のように債務上限問題に対して警告を行っている。今回は、本当にヤバいようだ。債務上限の引き上げが間に合わなかった場合に備えて、優先決めておくべきとのことだ。金がなくなると支出を絞らなければならない。それは、国家機能の一部が止まることを意味する。しかも、支払いができなくなるので、それはすぐに実施される。

 金融危機が始まろうとしている中でこの状態は、危機を早める。銀行が破綻したとして、政府にはそれに対応する金がない。金融市場の参加者がそれを意識した時、多くの株式、債務の保有リスクが高まり、早く売ろうとするだろう。そう、危機が起こるかもしれないと思うことが危機を生む。

 国防費には影響を与えないということは聞いたことがある。だが、国家機能がマヒしている状態、国民が混乱している状態は安全保障上もよくない。中国やロシアがチャンスととらえなくもないのだ。

 債務上限は6月中にも上限に達するという。あと1か月したら、どうなるかが見えてくるだろう。

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