
報道記事:NATO、東京に連絡事務所開設へ アジア連携強化=報道
[東京 3日 ロイター] – 北大西洋条約機構(NATO)はアジア地域での連携を促進するため、2024年中に東京に連絡事務所を開設する。日経アジアが3日、日本とNATOの関係筋の話として報じた。
日経アジアによると、東京に連絡事務所を設置することで、中国やロシアなどを巡る地政学的な課題を念頭に、韓国、オーストラリア、ニュージーランドなどのNATOの安全保障パートナーとの協議が可能になる。NATOと日本は、サイバー脅威、破壊的技術、偽情報に関する協力の深化に向け、7月に開かれるNATO首脳会議までにパートナーシップ・プログラムの署名を目指しているという。
設置される連絡事務所の場所を日本が提供するのか、もしくはNATOが資金を提供するかなどの詳細は交渉中という。
NATOはニューヨーク、ウィーン、ウクライナなどに連絡事務所を設置している。
NATOのオアナ・ルンゲスク報道官はこの報道について、現在行われている交渉の詳細には踏み込まないとしながらも、NATOは日本との緊密なパートナーシップを築いているとし、「実践的な協力には、サイバー防衛、海洋安全保障、人道支援、災害救援、核不拡散、科学技術などの幅広い分野が含まれる」と述べた。
日本の外務省報道官はコメントを控えている。
NATOのストルテンベルグ事務総長は1月に日本を訪問し、岸田文雄首相と会談。ロシアによるウクライナ侵攻や中国の軍事力増強などの安全保障上の課題に直面する中、関係強化を確約した。
ロイター
【コメント】
昨年、そして今年のはじめにNATO事務総長が来日していた。NATO加盟の打診かと思っていたのだが、今回の記事にある事務局設置を進めるために来たのだろう。
この連絡室は日本だけでなく、韓国やオーストラリアなどアジア地域の連絡用の事務局のようだ。日本としては中国やロシアの脅威があるため歓迎してよいように思える。
だが、相手から見るとNATOの協力者となってしまう。日本はブルーチームであることから逃れられないので協力は止むを得ない。だが、NATOへの加盟は避けてほしい。憲法の問題や輿論があるためNATO加盟へのハードルは高いと思う。しかし、改憲論議が進む中、ロシアの脅威を煽られると国民感情はいっぺんする可能性が高い。
NATOに加盟してしまうと、NATOとともに戦う義務が生じる。ロシアがポーランドを攻撃したら日本はロシアに攻撃しなければならない。ヨーロッパのNATO加盟国にとっては心強いであろう。ロシアを反対側から攻め込める国が存在するということはロシアへの抑止力になる。
別の見方をすれば、NATOがロシアへ攻撃する理由ができれば、日本を巻き込んだ戦争を起こすことができてしまう。いずれにしても日本は守られる方ではなく、巻き込まれる国だと思う。もう、回避するシナリオは無いのかもしれないが。