
報道記事:ドイツ、15日に全原発停止 再生エネ注力も課題山積 後処理「100年かかる」
【ベルリン時事】ドイツで最後に残った原発3基が15日、稼働を終える。 同国で初めて原発から電力供給された1961年から60年超にわたった原発政策に区切りが付く。発電時に温室効果ガスを出さず、安定電源とされる原発の退場には、気候変動対策とエネルギー安全保障の両面で不安が残る。廃炉などの後処理は長期にわたり、脱原発後も課題は山積している。
時事通信
ショルツ首相は「再生可能エネルギーによる電力で2045年までの(温室ガス排出を実質ゼロにする)気候中立と産業改革を実現する」と強調。風力中心に再生エネ拡大に注力する方針だ。 ただドイツの電力価格は、エネルギー危機に陥った欧州連合(EU)内でも上位。電力不足時には一段の高騰も懸念され、連立与党内に「脱原発は戦略的な誤り」(産業界寄りの自由民主党)との批判もくすぶる。当面は石炭火力で補うが、二酸化炭素(CO2)の排出量は増す。 今後は停止した30基超の後処理が続く。廃炉には10~15年かかる見通しで、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の立地は決まっていない。専門家は全て終わるまでに「100年かかる可能性がある」と指摘している。 ドイツは、チェルノブイリ原発事故の経験などから安全性への懸念が高まり、02年に原発の段階的な廃止を法制化した。一時運転期間の延長が目指されたが、11年の東京電力福島第1原発事故を機に、22年末の全原発停止が決定。昨年ウクライナに侵攻したロシアからの天然ガス供給が途絶し、3基に限り稼働を今月15日まで延ばしていた。
【コメント】
昨年、エネルギー危機が発生したが、社会と生活に深刻な影響を及ぼすほどではなかった。ドイツはエネルギー危機に対応するために、原発の廃止を延期していた。その延期期限が来たために今回、原発廃止を行った。ドイツ国内の原発は全廃である。
つまり、今年もう一度エネルギー危機が来るとドイツは電力が足りなくなるということだ。原発を止めなかったから乗り切ったのに、今度はそれがない。せめてロシアとウクライナの戦争が終わってからにしたらよいのにと思ってしまう。
代替のエネルギーで十分と判断したのかもしれない。だが、世界情勢は流動的で、特に西側はエネルギーが不安定になっている。世界のエネルギーが集まっている中東諸国がレッドチームに入ろうとしているからだ。
今年は、昨年ほどの食糧危機やエネルギー危機が感じられない。だが、西側諸国の対応力は衰えていると思われる。