イスラエルで始まった大規模デモ 予備役兵も参加し国家の一大事に

報道記事:イスラエル首相が国防相更迭、司法改革で対立 各地で大規模デモ

[エルサレム 26日 ロイター] – イスラエルのネタニヤフ首相は26日、政権が推進する司法制度改革に公然と反対を表明したガラント国防相を更迭した。

これに反発した多数の市民は深夜に各地で大規模な抗議デモを繰り広げた。エルサレムの首相官邸前にもデモ隊が集まり、警備を一時突破するなど騒然となり、警察が放水銃を使って排除した。

テルアビブではデモ隊が主要高速道路で大規模なかがり火をたいた。

司法制度改革は、法曹界ポストの政治任用を強化することや、政府が決定した政策に対する最高裁の判断権限を制限することなどが盛り込まれ、既に国内で何カ月も抗議デモが続いている。

ガラント氏は25日、抗議デモに予備役兵士の一部まで加わっている事態について、正規軍にも悪影響を及ぼし、国家安全保障を損なうものだと述べ、司法制度改革は支持できないと発言した。

これを受け首相府は26日、「ネタニヤフ首相がガラント国防相の更迭を決めた」と発表。後任者の名前は明らかにしなかった。

ガラント氏はその直後ツイッターに「イスラエル国家の安全保障(問題)はこれまでずっと、そしてこれからも常に私の人生の使命だ」と書き込んだ。

ロイター

【コメント】
 イランと敵対し、いつ戦争になってもおかしくない状態の中で、イスラエルが危機に陥っている。国内問題だ。ネタニヤフ首相が司法制度の変更に反対したガラント国防相を更迭したという。

 それにしても国防相を辞めさせるというのはただ事ではない。国民も兵士もガラント国防相の側のようである。ネタニヤフ首相はこの危機をどう乗り越えるのであろうか?折れるか強権発動のどちらかしかないと思っている。強権発動とはイランとの戦争にもっていくことだ。どうころんでもイスラエルの国力の弱体化は弱まる。

 イランが現状をチャンスと見て攻勢に出るか、イスラエルの弱体化ネタニヤフ首相の交代による融和政策を期待するか、こちらも選択を迫られるだろう。

 2025年に向け世界の混乱は増すばかりである。

タイトルとURLをコピーしました