イギリスのインフレ率は、まだ10%越え 庶民の生活はボロボロか

報道記事:英インフレ10%台のショック、市場は利上げ休止のシナリオ見限る

英国のインフレ率が2桁台にとどまり、市場は英政策金利の見通しについて再考を迫られている。

  市場はこれまで、イングランド銀行(英中央銀行)が今週の政策会合で利上げを決定するか疑問視していた。だが、22日発表された2月の英消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比10.4%と、ブルームバーグが調査した全ての予想を上回り、鈍化を予想していたエコノミストらの期待を裏切った。

  英国のインフレに依然歯止めがかかっていないことが浮き彫りになった。米地銀3行の破綻やクレディ・スイス・グループの救済合併などで世界の金融環境は引き締まっているにもかかわらず、英中銀には利上げ継続を求める圧力が強まりそうだ。

  トレーダーはこれを受けて英国債を売り、2年債利回りは一時26ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇と、昨年9月以来の上げ幅を記録する勢い。ポンドは一時1.23ドルと、およそ1カ月ぶりの高値を付けた。短期金融市場は23日の0.25ポイント利上げを完全に織り込んだ。

  INGの金利ストラテジスト、アントワーヌ・ブーベ氏は2月の英インフレ率について、「1月にコアインフレ率が低下し誤った期待が生まれていただけに、とりわけ失望感が大きい」と指摘し、「醜い」統計だと表現。「0.25ポイントの利上げを求める声が強まる」と述べた。

  CPIの内訳では、食品・非アルコール飲料の上昇率が18%と、45年ぶりの伸び。変動の激しい食品やエネルギーを除くコアインフレ率も6.2%と、前月の5.8%から加速した。

BloomBerg

【コメント】
 海外ではインフレ率が高いが、給料も上がっているので日本より良いという報道がある。イギリスでは10%ものインフレ。食料品でみると18%だ。普通に考えて、10%以上の給料上昇がすべての人にあるはずがない。電気代もガス代も上がり、個人商店はやっていけない状況の中で給料は10%も上がらない。

 イギリスの食料品は、まだまだ値上がりしそうだ。すでに野菜は少なくなっているが、今、世界中を異常気象が襲っている。インドやアメリカでは農地が雹や洪水で打撃を被っている。小麦価格は下がってきていり、価格はいつ上昇してもおかしくはない。これでは庶民は生活できなくなっていく。かといって国債発行でのバラマキ政策はできない。前のトラス首相の時に、バラマキ政策を出したとたんに国債が暴落したからだ。つまり、詰んでいる。イギリスだけの政策ではもう対応できない。世界経済の復活を待つことになる。

 ところが、インフレ対応のために今後も利上げが続くだろう。利上げは不動産の下落、株価の下落を引き起こす。アメリカでシリコンバレー銀行が破綻したが、それは利上げの影響である。イギリスでも金融機関の破綻が始まり、不動産とともに危機的状況が近づいている。

 イギリスの今年、来年は暗い。そして、それはイギリスだけではない。イギリスが世界の国々よりちょっと先に進んでいるだけだ。

 

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