サウジアラビアとUAEに亀裂 このことはディーガルの予測の世界に近づいていることを物語る サウジアラビアはやはりレッドチーム入りか

報道記事:サウジとUAEの対立深まる イエメンや原油生産巡り

 【ドバイ】アラブ首長国連邦(UAE)は1月、首都アブダビで中東各国の首脳による会合を開いた。注目を集めたのは、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が欠席していたことだった。その1カ月前にサウジの首都リヤドで開催された中国・アラブ諸国サミットには、UAE指導者らの姿がなかった。

 サウジのムハンマド皇太子とUAEのムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領が互いの国のイベントに参加しなかったのは意図的だったと湾岸諸国の関係者は語る。サウジとUAEはいずれも米国にとって安全保障の同盟国であり、中東の外交政策においては長年にわたり共同歩調を取ってきた。ところが最近では両国の間で溝が深まっている。

 サウジとUAEは同盟関係にあるが、外資誘致や石油市場での影響力などを巡って競い合っており、イエメン内戦を含めいくつかの分野で対立する関係にある。これまでは表に出ることがなかった意見の相違が明るみに出てきており、湾岸地域の同盟関係再編につながる可能性もある。

 UAEのムハンマド大統領は現在61歳で、かつてはサウジのムハンマド皇太子にとって良き師のような存在だった。数年前にはサウジの砂漠への小旅行を通して絆を深めたとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は報じている。だが最近では、指導者としての在り方を巡る意見の違いから、両氏の距離は遠くなってきている。

 こうした溝の深まりや方向性の違いの表面化は「ほんの数年前までは前代未聞だった」。こう語るのは、シンクタンクの国際危機グループ(ICG)で中東・北アフリカ担当シニアアドバイザーを務めるディナ・エスファンディアリ氏。「それが今では当たり前になってきている」

 UAE当局者はコメントを控えた。サウジ当局者もコメントの要請に応じなかった。

 サウジとUAEが最も激しく衝突するのが、両国が2015年に軍事介入したイエメン内戦を巡る問題だ。

 UAEは19年にイエメンから地上部隊の大半を撤退させた。一方で、サウジは内戦終結に向けてイエメンの親イラン武装組織フーシ派との直接交渉に動くなど、UAEにはイエメンの将来に関する協議から排除されることへの懸念がある。

 世界屈指の原油生産国であるサウジとUAEは、エネルギーを巡る問題でも水面下で対立してきた。

 UAEでは、石油輸出国機構(OPEC)脱退について内部で議論が行われているという。複数のUAE関係者が明らかにした。脱退を決めればOPECを揺るがし、世界の石油市場での影響力低下につながることが考えられる。OPEC脱退はUAE指導者らの間で何年も議論されてきたが、行動が取られることはなかった。サウジとの対立が深まっていることで、脱退論が再燃したという。

 OPECとロシアなど非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は昨年10月、原油価格の押し上げを狙って大幅な減産を決めた。この時、UAEとサウジの間で衝突が起きた。

 UAEは表向きには減産を支持した。ところが米当局者によると、UAEは米国が期待したように生産を拡大することを望んでいたものの、サウジが抵抗していると打ち明けたという。それ以来、UAEはOPECプラスに対し、生産拡大を認めるよう働きかけてきたと湾岸諸国関係者は語る。

 エスファンディアリ氏は、UAEが自国の利害と対立するサウジの動きを懸念しており、サウジ側は湾岸地域における自国の影響力をUAEが脅かすことを警戒しているとの見方を示した。

THE WALLSTREER JOURNAL

【コメント】
サウジアラビアとUAEが対立している。以前から対立の兆しはあったようだが、最近顕著になったということだ。記事によればUAEではOPEC脱退についても議論されているという。

サウジアラビアは去年から、ロシア、中国、イランに近づいており、明らかにレッドチームへシフトしていた。そこへUAEとの溝が広がるようなら今後の世界の分断の象徴の一つとなり、中東危機を広げる要因となるかもしれない。

先日の記事で越境3.0というYoutubeチャンネルで開設されていた中東の構図を紹介した。この構図のうちサウジとイランの対立は先日の国交正常化のニュースにより解消された。気になっていたのは湾岸協力会議との関係だ、イスラエル対イランの衝突が激しさを増す中での、イランとの国交正常化はこの構図でいうとイランや湾岸協力会議との亀裂を生む。

どうやらその亀裂はすでに存在していたようだ。

越境3.0

こうしてみると、ディーガルの予想でのサウジアラビアの特殊性がわかる。ブルーチームと思っているサウジアラビアの人口減少率は湾岸協力会議のバーレーン、UAE、クウェート、オマーン、カタールと比較して1国だけ違うのだ。人口減少率はレッドチームでは少ない。サウジアラビアはレッドーチーム寄りである。

そして、このイスラエル側にあるトルコ。この国も他の候と比較して人口減少率が少ない。ディーガルの予測が正しいと仮定すると、もうそろそろ、トルコの立ち位置がわかる事件が起こるかもしれない。そう、トルコはブルーチームのようでいてレッドチームに近づくと予測できる。

ディーガルが予測する2025年までの人口減少率を再掲する。

ディーガルの予測 2025年人口減少率 赤字は10%以上の減少
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