
報道記事:クレディ・スイス株が最安値更新、筆頭株主「追加出資不可能」
[チューリヒ/ドバイ 15日 ロイター] – スイスの金融大手クレディ・スイス(CS)の株価は15日、10.5%下落し最安値を更新した。筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンク(SNB)が追加出資はできないと述べたことが背景。
SNBは昨年、CSの増資に応じ、ほぼ10%の株式を取得した。 SNBのアンマル・アルフダイリー会長は15日、「10%を超えてしまうので(追加出資は)できない。規制の問題だ」と述べた。
CSは不祥事が続き、かねてより経営不安がささやかれている。組織改革など立て直しを図っているが2022年は08年の金融危機以来の大幅な赤字を記録。顧客の流出も歯止めがかかっていない。
チューリヒ株式市場でCS株は10.2%安。7日続落している
ロイター
【コメント】
今日の日本の株式市場では、昨日の大幅安の反動で銀行株は値上がりした。一方、クレディ・スイスは10.5%もの暴落となった。筆頭株主が追加出資はできないと述べたからだそうだ。要は助けることがないということ。何も今日言わなくてもよいのにと思ってしまう。
クレディ・スイスを助ける人がいないとわかると、当然預金者はお金を下ろすだろう。預金が多ければ多いほど、被害が大きくなる。クレディスイスからすると残ってほしい人ほど早く逃げてしまうことになる。ということが予想されると預金者は早く行動に移すだろう。これが、取り付け騒ぎである。
今はネットで資金移動ができるので、表立っての騒ぎではなく、すでに帳簿上の預金がどんどん動いているのかもしれない。
これに対してスイスはどう手を打つのだろうか?また、スイス以外の拠点にある銀行はその国の法律の影響を受ける。つまり、EUも今後のクレディ・スイスの運命を握ることとなる。
残念ながらクレディ・スイスの破綻は時間の問題だろう。それよりも、クレディ・スイスの次の問題行を人々は予想し始めるのではないかと思う。もう、金融危機はスタートしているのだ。