早くも始まった銀行の連鎖破綻 ファースト・リパブリック銀行の株価が74%下落

報道記事:ファースト・リパブリック銀の株価急落、米銀破綻飛び火懸念

[13日 ロイター] – 13日の米株市場寄り前の時間外取引で米中堅銀行ファースト・リパブリック銀行株が急落。新たな資金確保を発表したにもかかわらず、シリコンバレー銀行を傘下に置くSVBフィナンシャル・グループの破綻が米銀業界内に飛び火するとの懸念が圧迫している。

ファースト・リパブリックは12日、JPモルガン・チェースを通じて追加で資金を調達し、700億ドルの流動性を確保したと発表。また米連邦準備理事会(FRB)から追加借入枠も設定されたとしていた。

レイモンド・ジェームズは、ファースト・リパブリックの投資評価を「ストロング・バイ」から「マーケット・パフォーム」に2段階引き下げた。シリコンバレー銀を巡る騒動で、ファースト・リパブリックにも「取り付け」リスクがあると指摘した。

ファースト・リパブリック株は74%急落。ウェスタン・アライアンスも26%超下落している。

ロイター

【コメント】
先週のシリコンバレー銀行の破綻から週が明けた。リーマンショックのような世界的な金融危機にはならないという予想が多い中、次々に銀行が破綻しそうな様相となっている。アメリカのファースト・リパブリックの株価が74%のも下落を見せた。JPモルガンの支援を受けることから破綻はしないのかもしれない。

この銀行がヤバいのなら、ほかの銀行はどうなるのかという疑心暗鬼が生まれ始めた。アメリカより経済が弱っているヨーロッパ、新興国はババ抜きが始まるだろう。銀行株は早く打ってしまった方がよいと思った次の瞬間には暴落と破綻が待っている。

筆者も今日のアメリカ市場は注意したいと思っていた。そして意外と立て直すのではと期待していたが、そうではなかった。銀行の株価が1日で74%下落するというのは信用がなくなったのと同じことだ。いくら預金を保証するといっても、金は逃げていく。新規で口座を開設する個人も企業もいないだろう。

人々が疑い出すと、ほころびが見えてくる。いつもはなんでもなかった指標が他行と比較すると悪く言える。金利が高いから預金していたのに、金利が高いのは業績が悪いからだとも思えてしまう。こうなると、信用収縮が始まる。つまり金融破綻に向かうのだ。

アメリカが国として対策を出さなければ、いったん世界的な危機となると思う。多分、いったん救われるのだろう。人々が安心した時に、再度銀行の破綻が起きれば、だれも信用しなくなる。

世界の金融当局は難しいかじ取りを強いられるだろう。極端な保護政策は、危機の大きさを悟られてしまう。かといって、小手先の対応だけではこれからも破綻が続く。これまでの10年間がよすぎたのだ。コロナ騒ぎの次は金融危機に決まったのかもしれない。これもダミーでこの裏で次の危機が進んでいる可能性もある。

とりあえず、この一週間で危機が落ち着くかどうかを見定めたい。

タイトルとURLをコピーしました