悪化する世界経済 FRBは0.5%の利上げを決定 イギリス、EUも0.5%利上げに追随 2023年は不況の始まり

報道記事:FRB、0.5%利上げにペース鈍化 経済失速・失業率悪化を想定

[ワシントン 14日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は13─14日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50%ポイント引き上げ、4.25─4.50%とした。利上げ幅は過去4会合連続での0.75%から縮小した。決定は全会一致。誘導目標レンジは、2007年末以来の高水準となった。

FRBは失業率が悪化し、経済成長が失速するとの見通しも示した。

同時に発表された新たな金利見通しでは、23年のFF金利予想中央値が5.1%となり、少なくとも0.75%ポイントの追加利上げが実施されることを示唆。FF金利予想中央値は市場予想をわずかに上回った。

来年の国内総生産(GDP)成長率は22年と同じ0.5%と、停滞に近い状態になると予想。失業率は現在の3.7%から23年末に4.6%に悪化すると見込んだ。これは歴史的にリセッション(景気後退)と関連する水準を上回っている。

パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で「物価の安定を取り戻すのに完全に痛みのない方法があれば良いが、それはない。われわれは最善の方法を取っている」と強調。

ただ、来年の予測はなお「緩やか」な経済成長だとし「リセッションに該当するとは思わない。プラス成長だ」と述べた。

FOMC参加者19人のうち7人は予想中央値よりも高い水準への利上げを想定し、来年のFF金利が5%を下回ると見込んだのは2人のみ。当局者が依然として高インフレとの戦いに傾注する必要性を感じていることが示された。

また、参加者はインフレ率について、下振れリスクよりも上振れリスクが大きいという認識で一致した。

パウエル氏は「金利を十分高い水準に引き上げられずにインフレを根付かせてしまえば、痛みは最も大きくなる」と警告した。

FOMCは声明で「委員会はインフレのリスクを非常に注視している」としたほか、「徐々にインフレ率を2%に戻すのに十分な制約的な金融政策姿勢を達成するために、目標誘導レンジの継続的な引き上げが適切になる」とし、11月FOMC時の声明文をほぼ踏襲した。

ジェフリーズのチーフファイナンシャルエコノミスト、アネタ・マルコウスカ氏はリポートで、新たな経済見通しはFRBが約160万人が失業するような状況を容認する構えだという意味で「従来よりも痛みのレベルが切り上がったことを暗示している」と指摘。「タカ派が引き続きハト派を大幅に上回っている」ようだとした。

ロイター

【コメント】
2023年は世界経済低迷の年となるだろう。世界中で利上げが進んでいるからだ。利上げは借金の利子の支払いが上がることになる。その分利益は減る。だが一番の問題は借金の借り換えができなくなることだ。

企業の借金には支払期限がある。十分な資金がない場合は借り換えを行う。借りなおすのだ。利子が0.5%高くなり借り換えができるなら問題は小さい。実際には借り換えに応じてもらえない可能性がある。企業業績が落ちると予測されると、利子を払うどころか元本の返済ができなくなる不安が生じる。その場合、貸側は貸さないか、法外な利子を取ることになる。実際に韓国では発生しており、借り換えができない、利子が10%を超えるなんてことが起こっている。

アメリカ、イギリス、EUがそろって0.5%の利上げを発表した。インフレを抑えるためである。インフレを抑えるために不況にするのだ。いつも言っているが、現在の経済は不況になると、物の値段が下がるとは限らない。なぜなら、大量生産が値段を下げてきたからだ。国際分業が価格を抑えた側面もある。消費が減ると価格が高くなるということが発生するであろう。

短期的に生産効率が悪くなるのだ。いわゆる稼働率が下がることとなる。個別企業では稼働率が下がると設備の破棄や人員削減を行う。これは需要をさらに押し下げ、稼働率を低下させる。経済発展の逆向きの動きとなる。何年続くのかわからないが、その最初は2023年となるだろう。来月から始まる新たな年のことだ。

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