
報道記事:ウクライナ向け兵器の残存量手薄に、製造能力にも問題 米
(CNN) 侵攻したロシア軍と戦うウクライナへ提供する米国の高性能兵器の一部の数が残り少なくなっていることが19日までにわかった。この問題の詳細を直接知り得る立場にある3人の米政府当局者がCNNの取材に明かした。
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兵器の在庫分の逼迫(ひっぱく)や需要に対応できる米国の産業基盤の能力の確保はバイデン政権が直面している重要な試練の一つとも位置づけた。米国はこれまで数十億ドル相当の兵器をウクライナへ譲渡している。
米政府当局者の1人は、一部の兵器システムの備蓄分はウクライナへの約9カ月間に及ぶ軍事支援を受けて、「減少の一途」にあるとの現状を説明。引き渡すことができる在庫の余剰分にも限りがあるとした。
ウクライナの提供要請に応える上で残存量に懸念が生じている兵器には、155ミリ榴弾(りゅうだん)砲の弾薬や携行式の地対空ミサイル「スティンガー」が含まれる。
さらに、対レーダーミサイル、誘導型多連装ロケット発射システムや歩兵が持ち運べる対戦車ミサイル「ジャベリン」の追加の生産能力への疑念も出ているという。米はこれら兵器などの生産能力の強化に動いている。
米軍がアフガニスタンから全面撤退し、イラクでの軍事作戦では顧問的な役割にとどまっている中で、米国はここ20年では初めて、紛争に直接介入しない事態を迎えている。それだけに戦争に備えて兵器弾薬を製造する必要性がなく、戦闘が長引く正規軍同士による組織的な交戦に欠くことができない物資の量的確保も進めていない。
多数の米政府当局者は、米国は不測の事態発生に対する自らの即応態勢を危うくさせることは決してなく、兵器などの引き渡しは全て自国の戦略的な備蓄や戦争遂行計画への影響度をにらみながら実施していると強調した。
【コメント】
アメリカの兵器の在庫がさらに減ってきているようだ。ウクライナは停電が全土に及び、兵器製造にも影響していると思われる。頼みの綱は西側諸国、特にアメリカからの兵器提供である。それはアメリカの兵器在庫を今後も減らしていくということだ。確かアフガニスタン撤退の際にも大量の武器が残されたままだった。アメリカは長期戦に耐えられなくなっていると思う。
第二次世界大戦時は工業力を背景に、大量の戦車、大量の航空機を製造することができた。現在は兵器の高度化により簡単に製造数を増やすことはできない。工場を増やすことから始めないといけないが、工場も高度化している。部品製造も増やさないといけない。
兵器が少なくなっているのはアメリカだけではない。ヨーロッパ諸国や日本、台湾ははじめから弾薬貯蔵は少ない。どれくらいの期間戦えるのかわからないくらいに少ない。記事によっては1週間だとか、3回の攻撃までだとか言われている。
戦争が始まってしまえば、生産能力の数十倍の消費が始まる。場合によっては工場が攻撃され生産力は落ちる。常に戦時を考えているロシア、中国、北朝鮮は国民を犠牲にしてでも武器、弾薬を製造していることと思われる。ここら辺は情報も報道もないのでわからない。
日本は来年から火薬の製造を増やすとしている。アメリカも兵器の増産に手を付けるだろう。逆に中国や北朝鮮から見るとウクライナでの戦いがもうしばらく続き、アメリカでの兵器増産体制が整う前が仕掛け時と思うかもしれない。北朝鮮であれば、最初の数週間を乗り切れば韓国、アメリカとも弾薬が尽きてくるのだ。最後は数少ないミサイルではなく、大量の砲弾が威力を発揮する。
このようなことを思わせてしまうのがまずい。今なら勝てるかもと思ってしまうのだ。これはウクライナがどうなるか次第だ。ウクライナが西側からの武器不足で負けるようなことがあれば、アメリカの弱体化というのが判明してしまう。そして、それを思わせないためにアメリカがウクライナに武器をつぎ込めばつぎ込むほど、本当に弱くなってしまう。
今でもこのように武器が減っていることが報道されるくらいなので、あと半年もすれば、もう兵器がありませんというのが全世界に知られるということもありうる。もちろん、今回の報道が真実とは限らない。単にロシアや中国を戦争に引き釣り混むために弱みを見せるふりをしているのかもしれない。