
報道記事:クレディ・スイスは1兆2000億円の資本不足に直面-ゴールドマン
クレディ・スイス・グループは2024年に最大80億スイス・フラン(約1兆2000億円)の資本不足に直面すると、ゴールドマン・サックス・グループが試算した。
Bloomberg
クリス・ハラム氏が率いるアナリストらは少なくとも40億フランの資本不足があると見積もり、資本創出が「最小限」の時期に投資銀行事業を再編する必要性を踏まえると、増資が「賢明」だとの見方を示した。
アナリストらはリポートで、「クレディ・スイスは引き続き循環的かつ構造的な課題に直面している」とし、同株株の投資判断を「売り」に据え置いた。
クレディ・スイスの資本水準と流動性を巡る臆測が今年、同社株を揺るがせている。ウルリッヒ・ケルナー最高経営責任者(CEO)は27日に、戦略見直しの詳細を明らかにする予定。
ジェフリーズのアナリスト、フローラ・ボカハット氏も11日のリポートで、クレディ・スイスは向こう2ー3年の間に約90億フランの資本を構築する必要があると指摘。増資による希薄化を考慮し、クレディ・スイスは資産処分を優先するだろうとも予想した。
【コメント】
世界的な株安、債券安が続いている。世界中で数千兆円にあたる時価総額が消えたそうだ。イーロンマスクだけでも数兆円資産が減っているので、世界で見るとそのようなものだろう。損をした人が出るのは当たり前だが、破産や不良債権、債務不履行が増えてくるはずである。
そのような中クレディ・スイスが経営危機である。ゴールドマンサックスによると2、3年のあいだに1兆2000億円が必要になると試算している。これはクレディ・スイスだけの問題であろうか?そうは思えない。日本の銀行も含め、世界中の銀行が信用収縮に巻き込まれる。かつて、日本のバブル崩壊後にあった貸し渋りが世界中で起こるであろう。エネルギー危機で産業が崩壊しようとしているヨーロッパ企業に融資なんてできるものではない。それどころか、金融機関そのものの安全を考えると早く融資を引き揚げなければならない。
当然、資産売却が進む。資産売却は資産価値の減少を生む。生活必需品はインフレなのに資産デフレが起こるのだ。しばらくすると、クレディ・スイス以外の金融機関の危機が取りざたされるだろう。破綻は連鎖する。
世界恐慌が起こってもおかしくはない。さらに株価が下がるなら、世界は1京円くらいの資産を失うのだから。