
報道記事:EU、ロシア追加制裁で合意 貿易制限や原油価格の上限設定
[ブリュッセル 5日] – 欧州連合(EU)加盟国は5日、ロシアに追加制裁を科すことで合意したと明らかにした。ロシアとの貿易規制の対象品を鉄鋼やハイテク製品などで拡大するほか欧州の保険会社を通じてロシア産原油の取引価格に上限を設ける。
ロイター
さらに、ロシア国防省当局者やウクライナで強行した住民投票に関与した人物など制裁対象を拡大する。
フォンデアライエン欧州委員長は「加盟国の合意を歓迎する」と述べ、「プーチンの見せかけの住民投票やどんな形のウクライナ併合もわれわれは決して受け入れない。ロシア政府に代償を払いさせ続ける決意がある」と述べた。
ポーランドやバルト諸国など一部加盟国は、核エネルギー協力とロシア産ダイヤモンドの完全禁輸などより厳しい制裁を求めていた。
ポーランドのアンジェイ・サドスEU大使は、もっと強力な追加制裁が可能だったかもしれないが、全会一致の合意が必要であることを踏まえると、ロシアの最近の攻撃的措置に対してこのように強力に対応することが重要だと説明した。
【コメント】
EUがロシアへの追加制裁を決めた。原油価格の上限設定が含まれている。ロシアは原油価格の上限を設定するなら、原油そのものを売らないと宣言している。EUはみずから、原油輸入を放棄したのだ。
自由経済を標榜する西側が支払うべき対価を支払わないのはいい政策とは言えない。ロシアが輸出を停止すると当然EU諸国は、原油不足になる。他の国から入手しようとすれば原油価格はさらに上がる。そうなると発展途上国は石油を変えなくなってしまう。
ロシアに責任を負わすことは簡単かもしれないが、結果としてEUを含む世界の国民が困窮するのだ。ロシアの言いなりになれというのではない。何も自分たちが苦しむ制裁をしなくてもほかの制裁から始めればよい。
やはり、ヨーロッパのエネルギー危機は既定路線である。予定通り、原油価格に上限を設け、ロシアは予定通り輸出を禁止する。そして去年と同じように冬がやってくる。