
報道記事:ガスプロムがイタリア向けガス供給停止-欧州エネルギー危機悪化
ロシア国営の天然ガス企業ガスプロムは1日、イタリア向けのガス供給を停止した。オーストリアの9月末の規制変更を巡る問題を理由とする。欧州のエネルギー危機はエスカレートした。
Bloomberg
供給停止の対象はイタリアだけのもよう。イタリアはオーストリアを通るパイプライン経由でガスプロムから供給を受けている。オーストリアにロシア産ガスを輸入するOMVの広報担当によれば、ロシア産ガスの配分は最近よりも多かったという。
イタリアはロシア産ガスの依存を減らしているものの、ロシアのプーチン大統領が欧州大陸へのエネルギー供給を遮断する動きに対して欧州諸国がいかに脆弱(ぜいじゃく)かを1日の供給停止は浮き彫りにした。これに先立ち、欧州向けの主要パイプライン「ノルドストリーム」で大規模なガス漏れが発生し、一部の国は「破壊工作」だと非難している。
【コメント】
ロシアがイタリアにゆさぶりをかけている。ある意味当たり前である。ロシアにとってはEU諸国はロシア制裁を加えている国々である。それらの国々が報復を受けてもおかしくはない。日本も同じである。日本もロシアに制裁を加えている。それに対して報復があってもおかしくはない。
良い悪いの問題ではない。EUにしても日本にしても自分に正義があり、ロシアに制裁を行うのは間違っていないと思っている。報復があっても仕方ない。ロシアも自国に正義があり、ウクライナに攻め込むのは当たり前だと思っている。ウクライナの反撃があるのは仕方ない。相容れるところはない。
イタリアで右派が勝利し、メローニ党首が首相になろうとしているのはこうしたことへの疑問からである。EUの正義が正しいのか?EUの正義のためにイタリア国民が苦しむ必要はあるのか?
実は多くの人々はわかっている。なので、ロシアがイタリアへ供給停止をしても市民はロシアを憎まない。自国の対応を問題視しているのだ。そうでなければイタリアの左派はロシア憎しを訴えることで選挙に勝ったはずである。