ヨーロッパへ天然ガスを供給できるノルドストリームとノルドストリーム2が同時に破壊された 犯人は特定されていないが、あの国が犯行声明を出していた

報道記事:ノルドストリーム、3本のガスパイプラインが損傷 「前例ない」

[モスクワ 27日 ロイター] – ロシアと欧州を結ぶ天然ガスパイプラインを運営するノルドストリームは27日、3つのパイプラインが同じ日に損傷したと発表した。こうした事例は「前例がない」としており、復旧の見通しは立っていない。

デンマークの海運当局は26日、「ノルドストリーム2」でガス漏れが発生したと発表。これに続きスウェーデン海事局は27日、「ノルドストリーム1」で2カ所のガス漏れが見つかったと明らかにした。

ノルドストリームは、3本のパイプラインが同日に損傷するのは前例がないと指摘し「ガス輸送インフラの復旧時期を予想することは現時点で不可能だ」と述べた。

ノルドストリーム1は、並行する2本のパイプラインで構成され、それぞれ年間275億立方メートルの輸送能力を持つ。2011年にロシアからドイツへのガス供給を開始した。7月以降は能力の20%しか稼働していなかったが、8月末に停止しメンテナンス後も再稼働していない。

ノルドストリーム2は、21年9月に建設されたが、ドイツが計画を停止したため稼働しなかった。

ロイター

報道記事:ノルドストリームガス漏れは破壊工作、断固たる対応取る=EU委

[ブリュッセル 27日 ロイター] – 欧州委員会のフォンデアライエン委員長は27日、ロシアと欧州を結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」と「ノルドストリーム2」で発見されたガス漏れは破壊工作によるものだとし、欧州のエネルギーインフラが攻撃された場合には「可能な限り強力な対応」を取るとした。

同委員長はツイッターに投稿し、デンマークのフレデリクセン首相と情報交換を行ったことを明らかにした。その上で「事件とその理由」を完全に明らかにするため調査を行うことが最重要だとした。

デンマークのフレデリクセン首相とスウェーデンのアンデション首相はは27日、「ノルドストリーム」と「ノルドストリーム2」で発見されたガス漏れについて、意図的な行為によるものとの認識を示した。

ロイター

【コメント】
現在はロシアからヨーロッパへの天然供給が止まっているノルドストリームとノルドストリーム2のパイプラインで3か所の破損が見つかった。同時に発生していることから、故意に行われた可能性が高い。記事にあるようにヨーロッパ各国も意図的なもの、つまり破壊工作だと認識している。

ロシア犯行説、ウクライナ犯行説があるようだ。ロシアには動機がない。すでにガス供給は停止しており、再開することをカードにヨーロッパ各国にゆさぶりをかけ、ヨーロッパの分断を狙っている。パイプラインが使えなくなるとそのカードも消失する。そもそも、莫大な費用をかけてパイプラインをとおしたのはロシアだ。

ウクライナには明確な利益がある。ノルドストリームが使えなくなれば、ロシアの資金源を断つことができる。ウクライナにはロシアからヨーロッパへの天然ガスパイプラインが通っている。ウクライナは天然ガスを通すことで、いわゆる通行料を取っている。ノルドストリームからの天然ガス供給ができなくなり、ガス代金が高くなれば、その分ウクライナへの実入りが増える。とはいえ、ウクライナに実行力があるかは疑問である。犯行現場が遠いのだ。

犯行声明を出したのはアメリカ。おりしもロシアのウクライナ侵攻の直前2月7日のことだ。アメリカに関係のないノルドストリーム2を停止させると言った。記者からどうやってするのかと聞かれると「約束する、必ずできる」つまり、必ず実行すると答えた。ロシアから天然ガス供給の代替はアメリカである。ロシアに代わってヨーロッパの弱みを握ることができる。また、ロシアからの安いエネルギーで優位に立っていたヨーロッパの産業を衰退させることができる。すでに、どちらも進行中である。

DeepL翻訳
2022年2月7日、Joe Bidenはドイツのオラフ・ショルツ首相立ち会いのもと、ノルドストリーム2の終了を宣言した。バイデンはどうするつもりなのか、という記者の質問があった。彼の答えは、「約束する、必ずできる」。

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