
報道記事:イタリア総選挙、右派連合が圧勝 初の女性首相誕生の公算
[ローマ 25日 ロイター] – 25日投開票されたイタリア上下院総選挙の暫定開票結果によると、野党右派「イタリアの同胞(FDI)」率いる右派連合が過半数を獲得し勝利したもよう。FDIのジョルジャ・メローニ党首(45)が同国初の女性首相に就任し、第2次世界大戦以降で最も右派的な政権が発足する見通しとなった。
ロイター
メローニ氏は「われわれが政権運営を任されたのならば全てのイタリア人のために政権を運営し、分断の原因ではなく人々を結び付ける要因に焦点を当て、国民の結束を目指す」と述べ、勝利宣言した。
同氏は過去にユーロに懐疑的な見解を示してる上、FDIと連合を組む他の2党がロシアに関して明確な立場を示していないため、欧州諸国や金融市場はメローニ氏の当初の対応に注目するとみられる。
【コメント】
イタリアの選挙結果が判明した。右派のメローニが首相になる見込みである。イタリアはインフレが続き、電気代はいつも記載しているドイツよりも高いそうだ。ウクライナを支援し、ロシアに制裁した結果、生活が困窮している国民は自国優先の右派を選択した。
これからイタリアは自国優先の政策をとり、EUとは距離を置くであろう。だが金融政策は欧州中央銀行(ECB)に委ねているため、金利上昇は避けられない。イタリア国債は以前から利率が高く、今後も上がっていく。ヨーロッパの他の国に比べ景気後退は先にやってくるかと思う。イタリア10年国債は利率が4.5%に差し掛かっており、ドイツの2.1%と比べると大きな差がある。ちなみに日本は0.25%。景気刺激策の実施は国債によって賄われるため、長期金利をさらに上昇させ、インフレもさらに進むことになる。
イタリアの食糧生産は干ばつにより大きな痛手を受けている。さらに、今後中東やアフリカでの紛争や、飢餓はイタリアへ向かう難民を増やすことになる。移民、難民排斥を政策に掲げる右派の勝利はイタリアの状態を少しマシにしそうだ。受け入れなかった難民は他のEU諸国へ向かうことになる。他の国との仲は険悪になるかもしれない。だが、そう遠からずほかの国も左派政権が倒れ、イタリアと同じ政策をとるようになるだろう。